意識的にアウトプットを実行しているビジネスパーソンは、0.1%未満。
この数字を見て、驚きました。
成毛眞さんの『黄金のアウトプット術』には、この数字の意味が書いてあります。
やるだけで差がつく。ほとんどの人がやっていない。
0.1%未満という現実
著者は元マイクロソフト日本法人社長で、書評サイト「HONZ」の主宰者です。
最初に指摘するのは、日本の大人の「インプット過多・アウトプット不足」という問題。
意識的にアウトプットを実行しているビジネスパーソンは、著者の感覚では0.1%未満だそうです。
つまり、やるだけで差がつく。
1000人に1人もいない。
これ、チャンスじゃないですか。
AIに代替されない仕事は「編集」
では、何を出せばいいのか。
著者の答えは「編集」です。
与えられたルールに則って処理するだけの仕事は、AIに置き換わります。
でも、受け取る側のことを考えて、情報に独自の付加価値や切り口を加えてアウトプットする「編集」は、人間にしかできない。
銀行の窓口を例に考えてみましょう。
定型的な手続きを行うだけなら「処理」です。でも、顧客の状況を聞いて最適な商品を提案するなら「編集」になります。
ちなみに、SNSの「いいね!」やコメントは、著者によるとアウトプットではないそうです。
他者のアウトプットへの反応に時間を費やすと、自分のアウトプットの意欲が削がれていく。
これは耳が痛い。
「ハンバーグ弁当理論」
プレゼンの話で、これが面白かったです。
プレゼンで最も伝えたいことが聞き手に伝わるとは限らない。著者はこの現実を直視せよと言います。
ハンバーグ弁当を思い浮かべてください。
メインのハンバーグが気に入らなくても、ポテトサラダやナポリタンが好きなら、その弁当に価値を感じます。
プレゼンも同じです。
核となるメインテーマ(ハンバーグ)だけでなく、多様な聞き手に響く複数のサブテーマや小ネタ(付け合わせ)を用意する。
どこか一つでも刺さればいい、という保険をかける。
ジャパネットたかたの高田明氏のプレゼンが好例です。
デジカメを売るとき、画質の良さだけを訴えない。「時刻表が撮れる」という意外な使い方を提案する。
画質に興味がない人でも、「時刻表を撮る」という発想に心が動くかもしれません。
「知識」ではなく「技法」をインプットせよ
インプットの方法も変える必要があります。
著者の主張は明快です。
ググればわかる「知識(What)」より、「技法(How)」のインプットを優先せよ。
料理のレシピを読むより、プロの料理人が調理する映像を見る。マニュアルを読むより、うまくいっている人の動きを観察する。
「メイキング」を見ることで、言語化されていない技法が伝わってきます。
さらに著者は、異分野の書籍を10冊同時に読むことを勧めています。
マーケティング、仏像、量子コンピューター。脈絡のない本を並行して読む。
すると、他の誰も持ちえない独自の知識の組み合わせによる「化学反応」が起きます。
読んでから変わったこと
「アウトプットを前提にインプットする」という意識が変わりました。
本を読むとき、「これをどう誰かに伝えるか」を考えながら読むようになった。
そうすると、読み方自体が変わります。
あと、800字程度の「紹介文」を書く練習を始めました。感想文ではなく、紹介文。
著者が推奨する「100字×8ブロック」の構成を使うと、意外と書けます。
こんな人に読んでほしい
- 本を読んでも仕事に活かせてない人
- インプットばかりで、アウトプットしてない人
- プレゼンで「伝わらない」と悩んでいる人
- AIに代替されない力を身につけたい人
アウトプットしなければ、そこに存在するかもしれない才能の発見機会を失い続ける。
著者はそう言っています。
やるだけで0.1%に入れる。
この事実を知っただけでも、読んだ価値がありました。