すべてをやろうとした瞬間、すべてが中途半端になる。
目次
タスク管理アプリを入れた。
ToDoリストを作った。
効率化の本を読んだ。
でも、なぜか以前より忙しくなった。
効率化の罠
オリバー・バークマン著『限りある時間の使い方』に、衝撃的な一節がある。
「生産性向上は、逆説的に多忙さを加速させる」
著者自身の経験がこれを物語っている。
メール処理を効率化する「インボックス・ゼロ」を導入した。
返信が速くなった。
すると、どうなったか。
かえってより多くのメールが舞い込むようになった。
タスクを素早く片付ければ片付けるほど、さらに多くのタスクが積み上がる。
これが「効率化の罠」だ。
人生は約4000週間
私たちの平均寿命は、約80年。
週に換算すると、約4000週間。
この事実を、どれだけの人が意識しているだろうか。
4000週間で、すべてをやることはできない。
世界中のあらゆる体験を味わうことは、物理的に不可能だ。
なのに、私たちは「全部やろう」としてしまう。
そして、何一つ深くできないまま、時間だけが過ぎていく。
「やらないこと」を選ぶ
本書が提案するのは、「やらないこと」を意識的に選ぶことだ。
ウォーレン・バフェットの有名な逸話がある。
「最も重要な25のことをリストアップしろ。そして、上位5つだけに集中しろ。残りの20は『絶対にやらないリスト』に入れろ」
なぜか。
優先度「中」のタスクこそが、最も危険だから。
そこそこ重要に見えるから、つい手を出してしまう。
でも、それが最も重要なことから注意をそらす。
「進行中」の仕事を制限する
もう一つ、実践的な方法がある。
同時に手掛けるプロジェクトの数を制限する。
たとえば「3つまで」と決める。
3つのプロジェクトが終わるまで、新しいことは始めない。
これは、自分の有限性を直視する練習でもある。
「全部はできない」という現実を受け入れることで、一つのことに集中できるようになる。
多忙は「現実逃避」である
なぜ人は忙しくしたがるのか。
本書は、意外な答えを示す。
多忙は「現実逃避」である。
直面したくない現実がある。
- 自分の人生は一度きりであること
- やりたいことを全てやる時間はないこと
- 自分の選択が多くの可能性を犠牲にすること
これらの不安を直視する代わりに、「忙しい」という状態に逃げ込む。
ニーチェは言った。
「世の中がこれほど忙しいのは、誰もが自分自身から逃避しているためである」
今日からできること
「やることリスト」ではなく、「やらないことリスト」を作る。
そこそこ魅力的だけど、本当に重要ではないことを書き出す。
それらを意識的に「やらない」と決める。
そして、本当に重要なことに時間を集中させる。
すべてをやろうとすると、すべてが中途半端になる。
「やらない」と決めた瞬間、本当に大切なことが見えてくる。
合わせて読みたい
『限りある時間の使い方』オリバー・バークマン 本記事で紹介した「効率化の罠」の原典。4000週間という人生の有限性を深く理解し、時間との向き合い方を根本から変えたい方に。
『エッセンシャル思考』グレッグ・マキューン 「やらないこと」を決める技術をさらに深掘り。「とりあえずやってみよう」で1日が終わる人が、本当に重要なことに集中するための実践的な方法論。
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