「言われた通り」が評価されない理由
目次
上司に言われた通りに資料を作った。
抜け漏れなし。期限も守った。フォーマットも完璧。
なのに、上司の反応はこうだった。
「うん、それで?」
え、これ以上何を?
言われたことは全部やったのに。
入社3年目。真面目にやってる。でも、「言われたこと」以上のことができない。
このまま何年経っても、変わらないんじゃないか。
「そのままくん」だった
ある本に「そのままくん」と「なぜなぜくん」という話が出てきた。
「そのままくん」は、言われたことをそのまま実行する人。
ルールを守る。前例に従う。指示通りにやる。
「なぜなぜくん」は、「なぜ?」と問いかける人。
なぜこの資料が必要なのか。なぜこのフォーマットなのか。なぜ明日までなのか。
私は完全に「そのままくん」だった。
「言われたことを完璧にやる」ことが仕事だと思ってた。
でも、それは違った。
「What」じゃなくて「Why」を見る
もう少し具体的に言うと、こういうこと。
上司が「明日までに企画書を」と言った。
「そのままくん」は、企画書を明日までに作る。それだけ。
「なぜなぜくん」は、「なぜ明日までなのか」を考える。
たとえば、「翌日の役員会議で使うから」かもしれない。
それがわかれば、役員が気にしそうなポイントを先回りして盛り込める。
「そのままくん」は「What(何をやるか)」しか見てない。
「なぜなぜくん」は「Why(なぜやるのか)」を見てる。
この差が、3年後に大きな差になる。
「言われた通り」は最低ライン
コンサルタントの世界では、こんな言い方をするらしい。
「言われた通りにやる」は最低ライン。付加価値ゼロ。
えぐい言い方だけど、考えてみればそうだ。
言われた通りにやるだけなら、AIでもできる。
人間がやる意味は、「言われた以上のこと」をするところにある。
「この資料、こういう使い方もできますよ」とか。
「ここ、もう少し深掘りしたほうがいいかもしれません」とか。
上司が言語化してない部分まで考える。それが「付加価値」。
私に足りなかったのは、これだった。
「辻褄思考」という武器
じゃあ、どうやって「言われた以上」を考えるのか。
一つ、使えるやり方がある。
「辻褄思考」。
上司の立場になって、「どう考えたらこの指示の辻褄が合うか」を考える。
「明日までに企画書を」と言われた。
なぜ明日なのか。誰に見せるのか。何を判断するためなのか。
上司の背景にある「思考」を想像する。
これができると、指示が変わっても動じない。
「また言うこと変わった!」じゃなくて、「あ、こういう理由で変えたんだな」とわかる。
上司の視点が見えるようになる。
「失敗」の捉え方も変わる
もう一つ、大事なこと。
「そのままくん」は、失敗を「二度とやらない」と決める。
「なぜなぜくん」は、失敗の「理由」を考える。
たとえば、以前やって失敗した企画がある。
「そのままくん」は、「あれはダメだった」で終わり。
「なぜなぜくん」は、「なぜダメだったのか」「今なら状況が違うんじゃないか」と考える。
有名な話がある。
檻の中にいる猿たちが、柱に登ると冷水シャワーを浴びるルールがあった。
そのうち猿たちは柱に登らなくなった。
でも、冷水装置が壊れても、猿たちは柱に登らない。
「登ってはいけない」という前例(What)だけが残って、理由(Why)が消えた。
会社でも、同じことが起きてる。
「才能」じゃなくて「技術」
ここまで読んで、こう思うかもしれない。
「そういうの、センスがある人ができることでしょ」
違う。これ、技術なんです。
コンサルの世界では、「才能」じゃなくて「濃い技術」と呼ぶ。
最初の3年間で、誰でも身につけられる技術。
「なぜ?」と問いかける習慣。上司の視点を想像する訓練。背景を考える癖。
才能じゃない。練習で身につく。
私も最初は全然できなかった。今もまだ途中。
でも、意識して繰り返すと、少しずつ見えるものが変わってくる。
今日やること:1つだけ
この記事を閉じる前に、1つだけ試してほしいことがあります。
次に上司から指示をもらったら、「なぜこの指示なのか」を3秒だけ考える。
なぜこのタイミングか。なぜこのフォーマットか。誰が見るのか。
答えが出なくてもいい。「考える」だけでいい。
「でも、忙しくて考える余裕がない」
わかります。私もそうだった。
でもね、「考えない」から忙しいのかもしれない。
言われたことだけやって、「それで?」と言われて、やり直す。
その繰り返しのほうが、よっぽど時間がかかる。
3秒。たった3秒。
やった人と、やらなかった人。
1年後、見えてる景色が全然違う。
合わせて読みたい
『コンサルが「最初の3年間」で学ぶコト』高松智史 「才能」ではなく「技術」で仕事力を上げたい方へ。誰でも身につく最強のビジネススキルを解説しています。
『Why型思考が仕事を変える』 「なぜ」を考える習慣を身につけたい方へ。目的ドリブンの思考法で迷わない働き方を学べます。
『外資系コンサルの知的生産術』山口周 思考術だけでは成果が出ない本当の理由を知りたい方へ。知識を成果に変える実践的なアプローチを解説しています。