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ブクドリ | BOOK DRIP

調べてるだけで、動いてない

約4分で読めます 思考法・問題解決
目次

「もう少しデータを集めてから」

そう言って、何日経っただろうか。

私もそうだった。提案資料を作るとき、「もっと根拠を固めないと」と思って調べ続けた。競合の事例を探した。市場データを漁った。参考になりそうな論文も読んだ。

気づいたら、2週間経っていた。

資料?1枚も書いてない。


「準備が足りない」は、言い訳だった

あのとき私は、「準備が足りない」と本気で思っていた。

でも違った。準備が足りないんじゃなくて、失敗したくなかったんだ。

「データが不十分なまま提案して、突っ込まれたらどうしよう」 「もっと調べれば、完璧な答えが見つかるかもしれない」

そう思って、調べ続けることを「仕事」だと自分に言い聞かせていた。


実測値に勝るデータはない

三木雄信さんは『孫社長にたたきこまれた すごい「数値化」仕事術』で、こう書いている。

「完璧な計画を待つより、まず小さく実行してみろ。実行して得られた『実測値』こそ、最も貴重なデータだ」

これ、読んだとき正直ムカついた。

「いや、だから準備してるんでしょ」って。

でもね、冷静に考えてみた。

私が2週間かけて集めたデータ。それって全部、誰かが過去に出した数字だ。他社の事例も、市場調査も、全部「過去の他人のデータ」。

一方で、「自分でやってみて、どうなったか」というデータは、2週間経ってもゼロだった。


孫正義がやっていたこと

ソフトバンクの孫正義さんは、こう考えるらしい。

「早く失敗したほうがいい」

Yahoo! BBを立ち上げたとき、彼らは考えられる販売方法を全部、同時に試した。

街頭でのキャンペーン、Web申込、電話営業、家電量販店との提携。

「どれが効果的かわからないから、まず全部やってみる」

そして実際に得られた数字を分析して、効率の悪いものから撤退した。

最初から「どれが正解か」を調べて絞り込もうとしたら、どうなっていただろう。たぶん、競合に先を越されていた。


7割の確信で、動く

「でも、データなしで動くのは怖い」

わかる。私もそう思った。

だから、こう考えるようにした。

7割の確信が持てたら、動く。

10割を目指すから、いつまでも動けない。

そもそも、10割の確信なんて永遠に来ない。市場は変わるし、競合も動く。「完璧なデータ」を待っている間に、状況そのものが変わってしまう。

だったら、7割の段階で小さく試して、残りの3割はやりながら埋めるほうがいい。


「分ける」だけで、動ける

話それるけど、動けない理由ってもう一つあると思う。

タスクがデカすぎる。

「提案資料を作る」って、漠然としすぎてる。

これを因数分解する。

  • 目的を整理する(30分)
  • 仮説を立てる(30分)
  • 必要なデータを3つだけ集める(1時間)
  • 1ページ目だけ書く(30分)

こうやって分けると、「30分だけやってみるか」という気持ちになる。

大きな荷物は持てない。でも、小さく分ければ持てる。


調べることは、行動じゃない

ここで正直に言う。

調べることは、行動じゃない

少なくとも、「成果につながる行動」ではない。

調べた時間は、何も生み出していない。提案も、フィードバックも、学びも、ゼロ。

「調べる」は準備であって、本番じゃない。

私はそれを「仕事をしている」と勘違いしていた。


「とりあえず出す」の効果

最近、私がやっていること。

資料は、6割の完成度で一度見せる

「まだ途中なんですけど、方向性だけ確認させてください」

こう言って出す。

すると、「ここはもっと詳しく」「ここは不要」というフィードバックが返ってくる。

これが、めちゃくちゃ効率がいい。

自分が「足りない」と思って調べていた部分が、実は不要だったりする。逆に、「これで十分」と思っていた部分が、全然足りなかったりする。

自分の頭で考えていても、正解はわからない。相手に出して初めて、正解がわかる。


今日、やってほしいこと

この記事を読んで、「なるほど」で終わらないでほしい。

今日、1つだけやってほしいことがある。

「調べてから」と言って後回しにしていることを、今日、6割の状態で出す。

メールでも、資料でも、企画でもいい。

「まだ完璧じゃないんですけど」って前置きして、出す。

相手の反応を見る。

それが、2週間調べるより、ずっと価値のあるデータになる。


よくある失敗

「調べる」を「仕事している」と勘違いすること。

机の上で調べて得られるのは、二次情報だ。誰かが加工した、過去のデータ。

実行して得られる一次情報には、絶対に勝てない。


「もう少しデータを集めてから」

その言葉、あと何回言うだろうか。

調べることは、行動じゃない。

出すことが、行動だ。


参考書籍

  • 三木雄信『孫社長にたたきこまれた すごい「数値化」仕事術』 「実測値こそ最強のデータ」の原典。Yahoo! BBの事例など、具体例が豊富。

  • エリック・リース『リーン・スタートアップ』 「早く失敗する」ことの価値を体系化。実行しながらデータを集める方法がわかる。


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