『良いアイデアがある』という時点で、もう危ない。
目次
「これは絶対にいける」
そう確信してビジネスを始めた。
半年かけて開発した。ローンチした。
誰も使ってくれなかった。
「誰が聞いても良いアイデア」は危険
田所雅之さんは『起業の科学』で、こう言っている。
「誰が聞いても良いアイデア」は、すでに誰かがやっている
考えてみれば当然だ。
誰もが良いと思うアイデアには、競合がひしめいている。
レッドオーシャンだ。
逆に、成功するスタートアップのアイデアは、最初は「それ、うまくいくの?」と疑われることが多い。
Airbnbは、「見知らぬ人の家に泊まるなんて、誰がやるんだ」と言われた。
Instacartは、「他人に買い物を頼む人なんているのか」と笑われた。
でも、彼らは巨大企業になった。
「アイデア」ではなく「課題」を探せ
多くの起業家が陥る罠がある。
「良いソリューション」を先に考えてしまうことだ。
でも、本書は明確に言う。
「良いビジネスアイデアは、ソリューションではなく課題にフォーカスしている」
順番が逆なのだ。
まず、顧客が本当に困っている「課題」を見つける。
その課題が深刻であればあるほど、ビジネスのチャンスは大きい。
「痛み」を探せ
起業の成否を分けるのは、顧客の「痛み」の深さだ。
「あったら便利」ではダメ。
「なければ困る」を見つけなければならない。
顧客が夜も眠れないほど悩んでいる問題。
お金を払ってでも解決したい問題。
そこにこそ、価値がある。
「作る前に売れ」
もう一つ、重要な原則がある。
「作る前に売れ」
多くの起業家は、まず製品を完成させようとする。
でも、それでは遅い。
DoorDashの創業者たちは、最初は自分たちで注文を受け、自分たちで配達した。
システムなんてなかった。
でも、それで「人々が本当にこのサービスを求めているか」を検証できた。
Dropboxは、製品を作る前に、動画で「こんなサービスを作ります」と説明した。
その動画への反応を見て、ニーズがあることを確信してから開発を始めた。
完璧なものを作ってから市場に出すのではない。
「恥ずかしい状態のうちに市場に出す」
それが、MVP(実用最小限の製品)の考え方だ。
「タイミング」がすべてを決める
最後に、見落とされがちな要素がある。
タイミングだ。
本書によると、スタートアップの成功要因で最も重要なのは「タイミング」。
早すぎてもダメ。遅すぎてもダメ。
Google Glassは、技術的には優れていた。
でも、早すぎた。社会がまだ受け入れる準備ができていなかった。
逆に、Uberは絶妙なタイミングで登場した。
スマートフォンが普及し、GPSが使えるようになり、人々がアプリでサービスを呼ぶことに慣れてきた。
すべての条件が揃ったとき、爆発的に成長した。
今日からできること
「良いアイデアがある」と思ったら、まず疑ってみる。
- そのアイデアを、誰かに話してみる
- 「それ、本当に必要?」と聞かれたら、チャンス
- 「いいね!」と言われたら、むしろ警戒する
そして、こう問いかける。
「自分が解決しようとしている課題は、顧客が夜も眠れないほど困っていることか?」
アイデアではなく、課題を探す。
それが、起業の科学の第一歩だ。
よくある失敗
「誰が聞いても良いアイデア」に飛びつくこと。
みんなが良いと思うアイデアは、すでにレッドオーシャン。最初は疑われるくらいがちょうどいい。
参考書籍
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田所雅之さん『起業の科学』 スタートアップの失敗パターンを体系化。課題検証からPMF達成までの科学的プロセスがわかる。
-
エリック・リース氏『リーン・スタートアップ』 「作る前に売れ」の原典。MVPの考え方と、仮説検証サイクルの実践法を解説。
合わせて読みたい
『起業の科学』田所雅之 5年間で導き出した「失敗しないスタートアップ」の作り方。課題検証からPMF達成までの科学的プロセスを解説。
『ピーター・ティール』トーマス・ラッポルト 「競争は負け犬のすること」を体現した起業家の戦略。小さな池で独占的地位を築く思考法を紹介。
『ジョブ理論』クレイトン・クリステンセン 顧客が「雇用」する真の理由を見抜く視点。顧客の課題を深く理解するためのフレームワークが学べる。