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ブクドリ | BOOK DRIP

「考えているつもり」が、一番危ない

約4分で読めます 思考法・問題解決
目次

会議で難しい問題が出た。

「ちょっと考えさせてください」と言った。

1週間経った。まだ考えている。2週間経った。まだ考えている。

上司に「どうなった?」と聞かれて、答えに詰まる。

「まだ考えてます」

これ、本当に「考えて」いるのか。


一生懸命考えているつもりで、立ち止まっている

マッキンゼー出身の赤羽雄二さんが、厳しいことを言っている。

「多くの人は、一生懸命考えているつもりで、実際は立ち止まっている」

ぐさっときた。

私もそうだった。「考えてる」と言いながら、頭の中で同じことがぐるぐる回ってるだけ。前に進んでない。何も決まってない。何も生まれてない。

これを「空回り」と呼ぶ。

空回りしてる人の特徴がある。

時間をかけている。でも、紙に何も書いてない。

頭の中だけで考えている。だから、同じところをぐるぐる回る。堂々巡りになる。結局、何も決まらない。

「考えている」と「悩んでいる」は違う。

悩んでいる時間は、考えている時間にカウントされない。ただの消耗だ。


「時間をかければ深まる」は嘘

もう一つ、認めたくない事実がある。

時間をかけても、考えは深まらない。

赤羽さんは言い切っている。「優秀な経営者は即断即決だ」と。

なぜか。普段から考えているからだ。

常に問題について考え続けている人は、新しい情報が入ってきた瞬間に、瞬時に判断できる。逆に、普段考えていない人は、いざというときに「ちょっと考えさせてください」と言う。

そして1週間経っても2週間経っても、答えが出ない。

時間をかければかけるほど、考えが深まると思っていた。違った。

時間をかけるほど、考えがぼやける。情報が増えすぎる。選択肢が増えすぎる。決められなくなる。


「考えているつもり」の正体

じゃあ、「考えているつもり」の状態って、何をしているのか。

正体はこれだ。

「考える」ことを避けている。

どういうことか。

本当に考えるのは、しんどい。答えが出なかったらどうしよう。間違ってたらどうしよう。そう思うと、手が止まる。

だから、「もう少し情報を集めよう」「もう少し調べよう」と言って、決断を先延ばしにする。

これは「考えている」んじゃない。「考えることを避けている」んだ。

戦略コンサルタントの則武譲二さんが、別の角度から同じことを言っている。

「問いが間違っていたら、いくら考えても答えは出ない」

そもそも、自分が考えているその「問い」が正しいのかを疑っていない。与えられた問題をそのまま受け取って、そのまま考えている。

だから進まない。

「考えているつもり」の人は、問いを疑わない。前提を疑わない。だから、永遠に堂々巡りする。


「書かなければ、考えたことにならない」

じゃあ、どうすればいいのか。

赤羽さんは、シンプルな解決策を出している。

A4の紙に書け。1分以内に。

1件1ページ。4〜6行。1分以内。これを毎日10ページ書く。

最初聞いたとき、「そんな単純なことで?」と思った。

でも、やってみてわかった。

書けない。

1分で書けない。頭の中では「考えている」つもりだったのに、紙に書こうとすると言葉が出てこない。

これが、「考えているつもり」の証拠だった。

本当に考えている人は、書ける。言葉にできる。1分で4〜6行、書き出せる。

書けない人は、考えていない。頭の中でモヤモヤしているだけだ。

だから、書く。考える前に書く。書きながら考える。

書くことで、思考が外に出る。外に出ると、客観的に見える。客観的に見えると、次のアイデアが浮かぶ。

これが「考える」ということだ。


「問い」を疑え

もう一つ、大事なことがある。

則武さんは、問題解決で一番大事なのは「前提を問い直す」ことだと言っている。

「本当にそうか?」と問いかけろ。

「この問題を解決すべきだ」という前提は正しいのか。そもそも、この問題を解く必要があるのか。もっと上位の目的があるんじゃないか。

ある消費財メーカーの事例がある。

「最適な価格を決定する」という論点でプロジェクトが始まった。みんな一生懸命、価格弾力性の分析をしていた。

でも、「本当にそうか?」と問い直した。

調べてみると、ラグジュアリーブランドでは価格弾力性がほとんど効かなかった。「最適価格は一つ」という前提自体が間違っていた。

最適価格は変動する。それを継続的に調整する仕組みが必要だった。

論点が完全に変わった。

「最適価格を決める」じゃなくて「価格調整の仕組みをどう作るか」になった。

最初の問いが間違っていたら、いくら考えても正しい答えにたどり着けない。だから、まず問いを疑う。前提を疑う。


今日からできること

全部を変える必要はない。

1つだけやってくれ。

今、頭の中でモヤモヤしていることを、A4の紙に書き出せ。1分以内に。

書けなかったら、それは「考えている」んじゃない。「悩んでいる」だけだ。

書けたら、もう一度見てみろ。「本当にそれが問題なのか?」と自分に問いかけてみろ。

考えているつもりで、立ち止まっている時間は、もう終わりにしよう。


この記事で参考にした本

『ゼロ秒思考』赤羽雄二 → 「A4メモ書き」で思考を言語化し、頭の回転を高速化する方法

『論点を研ぐ』則武譲二 → 前提を問い直し、「本当に解くべき問い」を見つける技術


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